残業代請求は、単に経営者に残業代を支払うように求めるだけではまったく応じてくれません。残業代を支払わなければならないとする法的根拠があることを示す書類を相手に提示するとともに、交渉によって支払いに応じさせることによってはじめて成功したといえます。証拠書類集めは残業代請求において最も重要な作業といえますが、いったんどのような書類が証拠となりうるのでしょうか。残業代請求をするにあたっては、まず最初に勤務先の労働条件がわかる書類が必要です。
雇用される際には、勤務先から労働条件通知書や雇用契約書など、労働条件が細かく記載された文書が交付されるはずなので、残業代請求をしなければならないときに備えて大切に保管しておきます。また、就業規則は職場に備え置かれている場合と、従業員に交付される場合がありますが、前者については閲覧か謄写ができる状況になければ労働基準監督署などに相談しましょう。実際に労働した時間を示す書類も重要です。出勤と退勤の時刻が記載されている日報やタイムカードを入手できれば確実な証拠となりますが、それが無くても残業の指示者や内容が載っているメールなど、明らかに社内にいたことがわかるようなものがあれば証拠として用いることができる場合があります。
そして、残業時間中にどんな仕事をしてきたのかが把握できる書類も準備しましょう。支持された残業の内容がわかる文書やメール、残業時間中に送受信していたメールの履歴などがあれば、上司の指示を受けて残業時間中にきちんと仕事をしていたことの証明となるでしょう。
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